読書の秋

黒人がやけど

”日本SFの父”海野十三『赤外線男 他6編』を読みました。
昭和2年から8年までに書かれた初期短編集で、名探偵・帆村荘六*1が登場。
21世紀に読むとややアレな箇所もある空想科学探偵小説集ですが、中でも出色なのが「盗まれた脳髄」。
悪の科学者が他人の脳内の知識を盗んでしまう機械を発明し、よその科学者たちの知識を盗みまくります。
で、盗んだ知識をストレージしておく媒体が必要であると。
日本人だと脳に知識が詰まりすぎているのでストレージ出来ないけれど、頭がからっぽのアフリカ黒人なら空きがたくさんある。
それで悪の科学者の邸宅ではアフリカ黒人が数多く雇われている...というストーリーでした。
その黒人に話しかると、
「アナタ、タレ、アリマシュカ」
「ヨージ、ナニ、アリマシュカ」
とか答えます。
しかも最後に爆発して、「あとには一片の肉塊も残らなかった」。





*1:言うまでもないけどシャーロック・ホームズをもじった名前