Ich - Ein Groupie (1970)

邦題『獣色乱行』。
ロンドンの公園で野外ライヴをやっているバンドのシンガー、スチュワートとイングリッドがセックス。スチュワートは翌朝、ツアーで出発してしまうが、「スチュワートと私は愛し合ってるんだわ」と思い込むイングリッドはオランダ→スイス→ドイツと、彼を追いかけていく。で、その合間にMURPHY BLENDのギタリストとかBIRTH CONTROLのベーシストとセックス。ようやくミュンヘンで「スチュワートの居場所なら知っているよ」と語るおっさんを発見。付いていくとそこは悪魔教団のミサで、彼女はドラッグを盛られて祭壇の生贄となる(殺されはしない)。儀式後に目覚めた彼女は全裸で路上を走りだし、ダンプカーにはねられて死ぬ。アルプスの雪山を全裸で走る彼女のイメージ映像。終わり。
MURPHY BLENDは1971年に『FIRST LOSS』というアルバムを出している、ちょっとかっこいいハード・サイケ・バンドです。このバンドは短命に終わり、ベースの人はBLACKWATER PARK(これも結構かっこいい)に加入、オルガンの人はFRUMPYのアルバムにゲスト参加しましたが、本作で全裸尻出し演技をしているギターのWolfgang Rumlerはどこかに行ってしまいました。
BIRTH CONTROLは1960年代終わりから現在まで何度かの解散を挟みながら活動してきたバンドですが、ベースのBernd Koschmidderが全裸尻出し演技をしています。
両バンドともライヴ演奏シーンが収録されているので、ジャーマン・ハードのファンの皆さんはぜひチェックしておきましょう。音楽に興味がなくても本ボックスでは一番面白かったです。
そういえば最初の方でスチュワートがロンドンから出発してしまった後、イングリッドが「彼はどこに行ってしまったの?」とグルーピー仲間に訊くと、「どうだっていいじゃないの。来週はBLACK SABBATHが来るし」という答えが返ってきます。