CHELSEA WOLFE: PAIN IS BEAUTY


チェルシー・ウルフの新作『PAIN IS BEAUTY』を聴きました。 それぞれの曲が彼女自身のパーソナルなものでありながら、聴く人それぞれのイメージをかき立てます。 「House Of Metal」の、"花びらの中に錠剤を入れて、花びらごと口に運ぶ"という情景がかわいくおしゃれで凄惨だったり、「They'll Clap When You Die」が介護疲れで死にたい人妻を想像させます。 チェルシー自身の意図したイメージとは異なるかも知れませんが、作品は世に出た瞬間に大衆のものとなるので、それはそれで良いのです。 メンヘラ女性シンガー・ソングライターということで、どうしてもビョークとかP.J.ハーヴェイとかゾラ・ジーザスとかと比較されがちですが、チェルシーチェルシーで独自の世界観を築いています。 「The Warden」は80sニューウェイヴ、「Destruction Makes the World Burn Brighter」はアンジェロ・バダラメンティと一緒にやっていた頃のジュリー・クルーズを思い出したりもしました。 日本盤CDには歌詞対訳が付いていて、それは彼女の世界観を日本語に置き換えようとしたひとつの試みですが、あくまでひとつの試みに過ぎないので、オリジナル英詩にあたって欲しいです。