イン・ザ・ダークネス


『女子大生恐怖のサイクリングバカンス』(1970)を名作たらしめていたのは、言葉が通じなくて無愛想な外国人の不気味さに加えて、パメラ・フランクリンのフリークス的な魅力だったわけですが、DVDサブタイトルの"美少女(ロリータ)サスペンス"というのは如何なものでしょうか。彼女はいわゆるロリータとは違う気がします。彼女が出ていた『ヘルハウス』も名作です。
で、『女子大生恐怖のサイクリングバカンス』のリメイク『イン・ザ・ダークネス』(2010)は"イギリス娘2人がフランスの田舎にサイクリングしにいく"というオリジナルの設定を"アメリカ娘2人がアルゼンチンの田舎にサイクリングしにいく"に変更。パメラ・フランクリン役をアンバー・ハードが演じています。『ドライヴ・アングリー』『ザ・ウォード監禁病棟』『ゾンビランド』と、素敵なフィルモグラフィーのお姉さんですが、健康的なホットパンツの生足で、不健全なオリジナルとはまったく異なります。
さらにオリジナルではフランス人がなんだか意味不明で不気味だったのが、リメイクではアルゼンチンからパラグアイに人身売買するという明確な目的があるし、誰がイイモノで誰がワルモノか途中で明らかになってしまうので、ミステリアスな不穏さがありません。
アルゼンチンの田舎の廃墟町は良かったですが、サスペンスアクションとしても平坦だし、あまり面白くなかったです。オリジナルはとてもドゥームな映画なので見ましょう。