ストレンジデイズ7月号ジョニー・ウィンター記事で増渕英紀さんが「1944年テキサス州ボーモント生まれと言われてきたが、Mary Lou Sullivanが書いた最新のジョニー・ウィンター・ストーリー『Raisin' Cain: The Wild And Raucous Story Of Johnny Winter』によれば、ミシシッピ州リーランド生まれということになる」と書かれていますが、それは大間違い。『Raisin' Cain』p5に「Born John Dawson Winter III in Beaumont」とバッチリ書いてあります。
ジョニー・ウィンターのようにキャリアの長いアーティストについて書かれた日本の記事は、昔の(しばしば不正確な)日本の雑誌の情報をそのまま引用していることが少なくないので、きちんと新しい洋書データにあたっているのは評価できると思うのです。そんなの当たり前だろと言われても、それすら出来ていない人がどれほど多いことか。
でも、ソースを明らかにしながら、そのソースに書かれていない嘘を書いてしまうのは困りものです。
ところでこの『Raisin' Cain』、世界唯一のジョニー・ウィンター伝記本で、いろいろ詳しく書いてある必携本です。そもそも資料の少ない人なので、知らなかったことばかり載っています。サルヴァドール・ダリがジョニーと会ったとき「あなたは神だ!」と言って、アルビノのサイが人間女を犯している写真を見せたという、よく判らないエピソードも。