野獣暁に死す

ジェームズ

マカロニ・ウェスタン映画『野獣暁に死す』(1968)を見ました。
仲間に裏切られ、嫁をレイプされて、すべての罪を押しつけられて投獄された男の復讐譚です。
悪のボスを仲代達矢が演じ、ダリオ・アルジェントが脚本で関わっています。
でぶっちょやモテモテイケメンなどキャラの立った仲間を集めた『荒野の七人』風編成(こっちは5人だけど)、敵のコマンチェロ団との森林でのラスト銃撃戦など見どころが多い作品ですが、やはり出色なのは仲代達矢
『レッド・サン』や『シャンハイ・ヌーン』など、西部劇に東洋人が出る場合には"東洋人役"を演じるのが普通ですが、仲代の場合は役名がエル・フエーゴで、愛称はジェームズ。
彫りの深いエグ顔ゆえに、まったく違和感なくコマンチェロ団のボスとして映画に溶け込んでいます。
吹き替えとは思いますが、イタリア語でグラッチェとか話しているのが普通に感じられました。
ただラストの死にっぷりは歌舞伎や能を思わせる日本人役者ならではの大仰なもので、大和魂が揺さぶられます。
主演のモンゴメリー・フォード(=ブレット・ハルゼイ)もクールを装いながら内面は復讐の炎が燃えさかる主人公を好演していて、非常にかっこいい映画でした。
でも日本盤DVD高すぎ!