黄金時代

ガストン・モド

で、ブニュエルvsダリのコラボレーション第二弾が『黄金時代』です。
(実際にはダリはほとんど絡んでないらしい)
実はこの映画、いろんな本で紹介されているのを読んでいたり、展覧会で断片だけは見たことがあったのですが、ちゃんと見るのはこれが初めてだったのです。
日本でLD化されていましたが、画質がウンコだという風評だったので、手が出ませんでした。
シュルレアリズム映画なのでストーリーはあってなきがごとしですが、
サソリの生態を説明して、イタリアの海辺でキリスト教の僧侶が何人もお祈りしていて、しばらくしたら骸骨になっていて、葬式をすることにしたら男が女をレイプしようとしていて、数人がかりで男を連れ去ろうとしたら犬に蹴りを一撃!さらに連行される途中に盲人めがけてキック!で、男の昔話と現在が交錯して、付き合っていた女は部屋で牛を飼っていて、二人でお互いの指先をしゃぶりあって、そしたらオーケストラの指揮者が死んじゃって、キリストみたいなのが出てきて終わり。
というものです。
『アンダルシアの犬』は15分だからいいけど、あのノリで65分はキツイなーと思っていたのですが、全編テンションが落ちないし、漠然とストーリーの繋がりがあって面白かったです。
このDVDを出したアメリカのKino Internationalといえば『メトロポリス』のピッカピカ長尺リストア版やダグラス・フェアバンクス活劇などクラシック映画のDVD化でいい仕事をしていますが、本作も画質・音質ともにキレイです。
シュルレアリズムがどうとか鹿爪らしい視点は忘れて、変なおっさんを主役にしたピカレスク物として楽しめます。
オススメ!
http://www.kino.com/