フィル・ライノット19周忌

西洋無頼

シン・リジイというバンドの最大の魅力はその音楽だったのですが、そのフロントマンでありリーダーのフィル・ライノットという人物のカリスマ性に負うものも大きかったわけです。
鼻が詰まったような歌声は巧いとは言い難いものでしたし、ビッグアフロに褐色の肌、ワイシャツにネクタイをした上に革ジャンを着込んでスタッドのついたレザー指無し手袋と、そのファッションも何だかわからないものでした。
しかし、そんな訳のわからなさを強引に力技でカッコ良さに転じてしまったのがフィルでした。
「Breakout!」のかけ声と共にモニターに飛び乗り、大股開きでベースをかき鳴らせばすべてがオッケー!!
そんなフィルに魅了されてしまったファンは現在でも数多く、ダブリン郊外のサットンにある彼のお墓を訪れる人は後を絶ちません。
僕も十周忌の1996年、巡礼をしてきました。
雨がザーザー降っていました。
お供えをしようと近所の花屋でバラを買ったら、店のお姉さんに「スプレーで黒く塗りましょうか?」と言われました。
なんだかすごく感動しました。