Doctor X

控えめな胸

フェイ・レイ追悼第二弾。
1932年に作られた怪奇映画。要するに『猟奇島』と同年、『キング・コング』『吸血蝙蝠』の前年ですね。
満月の夜に女を襲って切り刻んで食い散らかす殺人鬼が現れて、その正体は?...というストーリーですが、まあなにぶん1932年の話なので、グロ描写は皆無です。
フェイ・レイは科学者の娘の役。堂々のヒロインなのですが、まあお飾りといった感じ。
でもラスト、人工皮膚を顔面に塗りたくってモンスター顔になった殺人鬼に襲われたりしてキャー!と、元祖スクリーム・クイーンの面目躍如です。
特筆すべきなのはそのモンスター顔の殺人鬼のメイクを担当したのがマックス・ファクターだということ。
もうひとつ、本作は史上初のテクニカラー長編劇場実写映画のひとつだということです。
ストーリーはあっさりめですが、色彩が古色蒼然としていて趣があり、元々舞台劇だったこともあって屋外シーンも閉塞感を感じさせ、楽しく見ることが出来ました。
たぶん未DVD化だと思いますが、1993年発売のビデオが今でも入手可能。