【ネタバレ注意】増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』

増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』読了。分厚い本でしたがまったく飽きることがなかったです。インタビューされている膨大な数の関係者も、これから1人また1人といなくなっていくし、まさに歴史的に重要な一冊だと思います。
終盤、日本柔道はアントン・ヘーシンクに敗北を喫するわけですが、そのヘーシンクを育てたのが元・武徳会の道上伯。やはり元・武徳会の阿部謙四郎も協力したそうで、いわば講道館によって壊滅させられた武徳会のリベンジでもあったわけですね。さらにそのヘーシンクが全日本プロレスに入団するというのもドラマです。
最後に、昭和50年代に日本某所で秘密裡に"何でもあり"格闘技大会が行われ、岩釣兼生が優勝したという逸話が明かされます。凄まじいファンタジーをかき立てられます。
ところで岩釣が全日本プロレスの道場で渕正信とスパーリングをやって、渕が一歩も退かなかったというエピソードがGスピリッツに載っていましたが、それもまたファンタジーをかき立てずにいません。