これがプロレス。-四天王は語る-


電車の中で速読モードで読みました。1997年に出た、全日本プロレス当時の三沢・川田・田上・小橋へのロング・インタビュー本。インタビューをしているのは長谷川博一というライターの人で、序文でいきなり「自己紹介を兼ねてロックンロールの話から始めたいと思う。ぼくは普段ロックンロールについての文章を書くことが多い」と、とても嫌な自己主張から始まるので、しょっぱなから読む気を殺がれます。というか長谷川さんというロックンロールのライターの人は存じなかったのでぐぐってみたら、佐野元春トークショーにくっついて出たりしている方だそうです。僕もロックンロールについての文章を書くことが多いですが、この方と道が交わることは一生ないと思います。
で、内容ですが、4人の今の環境を念頭に置いて読むと、考えさせられるものが多いです。さらに考えさせられるのは、この本が"ライト層のプロレスファン"を対象に書かれたということ。最近のプロレス本といえば別冊宝島とかGスピリッツとか、初心者お断りのヲタコロニーの内側だけを対象にしていますが、15年前はまだ"ライト層のプロレスファン"というものが存在したのですね。ライターの長谷川さんも田上の入門当時のエピソードで「てっきり全日本所属かと思いきや最初はジャパンプロレスに入団と書いてあるのを見てビックリしました」(p142)と、輪島大士入団時の相撲協会とのトラブルをご存じなかったようです。
まあ星の数ほどあるプロレス本のひとつなのですが、何故わざわざ紹介するのかというと、アートディレクションが...!

...人に歴史ありですね。実はこの話、もう10年ぐらい前に本人に教えてもらっていたのですが、アマゾン古本で1円で出品されるのを待っていたのでした。でも、送料を250円も取られました。高橋ヨシキコレクターはプレミアが付く前にぜひ押さえておきましょう!