BBC Artworks Scotland『Jack Bruce: The Man Behind The Bass』


BBCスコットランドで放映されたジャック・ブルースのドキュメンタリー『Jack Bruce: The Man Behind The Bass』を見ました(UK串を通すと見れます)。
CREAMの話題ばかりでなく、彼の人生と音楽、ドラッグ、癌などについて語られており、過去の名曲6曲をLAUと共演する趣向もあって、約1時間ぎっちり充実です。
エリック・クラプトンジンジャー・ベイカー、ピート・ブラウン、アダム・クレイトン、フリー、ブーツィ・コリンズマーク・キング、トム・ロビンソンがジャックについて語っています。ジンジャーは相変わらず偏屈爺さんです。
十代の頃、王立音楽院の教師から性的虐待を受けていたという告白もあり、そんな話題あったっけ?と公認バイオグラフィ本『Jack Bruce - Composing Himself』を引っ張り出してみたら、p45に「all he learnt from his male composition teacher was how to avoid his groping hands」という箇所がありました。
ジャックは僕が最も尊敬する音楽家の一人で、素晴らしい作曲家であり演奏家であり歌手なので、彼のソロ・アルバムをまだ聴いたことのない人がいたら、ぜひ聴いていただきたいです。最初に1枚聴いてみるとしたら、『HARMONY ROW』(1971)あたりでしょうか。あるいは「Sunshine Of Your Love」「White Room」をラテン調でリメイク、エリック・クラプトンゲイリー・ムーアがゲスト参加した『SHADOWS IN THE AIR』(2001)もおすすめです。
ところでジャックはインタビューで本気かネタか判らないことを言います。「グラスゴーの平均寿命が短いのは、揚げマーズバーの食べ過ぎのせい」とか。あと「BBMはCREAMをさらに一歩進めたバンドにするべく、CをDに一歩前進させた"DREAM"をアルバム・タイトルに入れた。それで『AROUND THE NEXT DREAM』にしたんだ」と語っていましたが、後にゲイリー・ムーアにそのことを訊いたら「そんな話は初耳だ」と笑っていました。そんなユーモアも、このTV番組で味わうことが出来ます。必見です。