2011年パーソナルベスト10アルバム


1. MASTODON: THE HUNTER
目をそらす隙もない緊迫感の漲る高密度の傑作。それぞれの曲を10分にしてCD3枚組にしてもきっと傑作だった。
2. EARTH: ANGELS OF DARKNESS, DEMONS OF NIGHT 1 / 2
具象から抽象へと移りゆき、すべてに偏在する存在へと姿を変えていく音楽。二部作を続けて聴くことで、すべてを知った。
3. FOO FIGHTERS: WASTING LIGHT
ロックにワクワク出来るアルバム。次の曲はどんなだろう?と、1曲ごとに胸がときめくのはいつぶりか。
4. GNAW THEIR TONGUES: PER FLAGELLUM SANGUEMQUE, TENEBRAS VENERAMUS
不快を極めれば醜悪の美学。邪悪を定義する音楽。
5. MACHINE HEAD: UNTO THE LOCUST
『THE BLACKENING』を超えることは出来なかったかも知れないけれど、この作品が入っていないベスト10は不完全。
6. TEDESCHI TRUCKS BAND: REVELATOR
おしどり夫婦ブルース・ロック。
7. FIVE FINGER DEATH PUNCH: AMERICAN CAPITALIST
ド低脳馬鹿かっこいいアメリカン・メタル
8. RAMESSES: POSSESSED BY THE RISE OF MAGIK
地獄がうねるドゥームの白眉。
9. RUSSIAN CIRCLES: EMPROS
脳を満たすポスト・メタル。
10....AND YOU WILL KNOW US BY THE TRAIL OF THE DEAD: TAO OF THE DEAD
音楽のアメイジング・ジャーニー。夢のようなロック。


毎年のことですが、年間ベストというのはお遊びで、明日になれば異なったものになります。
いつも良いアルバムを聴くとメモっておいて、年間ベストの参考にするのですが、2011年は例年よりメモったアルバム数が少なかったのは何故でしょうか。現在進行形のロック・アーティストによる新録アルバムが低調であるように思えたのは、良いアルバムが実際に少なかったのか、それとも自分の感性が摩滅したのか。CDが売れない本が売れない雑誌が売れないと景気の悪い話ばかり聞く中、娯楽産業の片隅に身を置く者としては、閉塞感をおぼえずにいられませんでした。とはいっても上記ベスト10を筆頭に、素晴らしい音楽の枚挙にいとまがない1年でした。
ゲイリー・ムーア『LIVE AT MONTREUX 2010』は何度も見ました。ドゥーム神ワイノ率いるPREMONITION 13『13』や下積みの長かったYOBが覚醒した『ATMA』も良かったし、ベン・ウォーターズ『BOOGIE 4 STU』の英国ブギウギ・ピアノの真髄、REMEMBER REMEMBERプログレッシヴなポスト・ロック『THE QUICKENING』、FLORENCE + THE MACHINE『CEREMONIALS』の女声ロックも楽しく聴くことが出来ました。ジェイムズ・ブレイク『JAMES BLAKE』は周りが言うほど斬新なのかなぁとも思いましたが、妙にクセになって何度も聴きました。あとはCAVE IN『WHITE SILENCE』、生前のロリー・ギャラガーがボツにした『NOTES FROM SAN FRANCISCO』、一連のNOOTHGRUSH再発など、毎日音楽に囲まれて楽しかったです。
ライヴでは東京でのサウンドチェック中に地震が来たMELVINS / HIGH ON FIRE / UNEARTHLY TRANCEの大阪公演、遂に実現したジョニー・ウィンターZepp Tokyo三連戦などが、一生忘れられない思い出になりました。
ハード・ロックのベスト再発はレコード・コレクターズ2月号、ベスト映画は映画秘宝2月号に寄稿させていただきましたので、そちらをご覧になっていただけたら嬉しいです。
東日本大震災ゲイリー・ムーアの死もあり、暗い話題の多い年でしたが、それでも2011年は生まれて一番幸せな1年でした。2012年は自分がもっと幸せになるのと同時に、拙ブログを訪れて下さる皆様にとっても幸せな1年になることを願っています。 と、もう2012年1月20日なのに白々しく書いたりします。