Boris: Japanese Heavy Rock Hits

Japanese Heavy Rock Hits Vol.2

CDや7"や10"や12"やカラー・レコードやピクチャー・ディスク、卒業アルバムばりの大判ボックスなど、ありとあらゆるフォーマットでのリリースを行ってきたBorisゆえ、音源配信という"フォーマットを伴わないフォーマット"で作品をリリースするというのは、さほど驚くべきことではないのでしょう。
でも、ブツにこだわるファンのためにか、米Southern Lordから3種類の7"シングルも出ました。レーベル直販ぶんは紫盤で、毎月1枚ずつリリースされる3作をセットで買うと4枚目の片面シングルが付いてきます。僕はちょうど告知があった9月中旬にタイに行っていて、速攻で売り切れたため、思い切り買い逃しました。でもディスクユニオンで3枚それぞれに付けられたクーポンを集めて送ると、4枚目の片面シングルがもらえます。紫盤でなく黒盤ですが、まあ良いです。今のところ『Vol.2』まで購入しました。
ちなみにアマゾンでも『Vol.1』『Vol.2』『Vol.3』が売られていますが、たぶん黒盤で、全部買っても『Vol.4』はもらえません。
Borisのように振り幅が大きい音楽性を持つバンドの作品を無条件に全部好きなどということはあり得ないわけで、この『JAPANESE HEAVY ROCK HITS』シリーズの6曲で聴かれる、『SMILE』以上に情感あふれる歌謡曲メロディは僕は必ずしも大好きではないです。でも今やステージ・フェイヴァリットの「虹の始まるところ」などをお好きな方ならオッケー以上ではないでしょうか。また、好きではないからといって一度聴いてそのままポイ捨てさせないのが彼らの曲者なところ。たとえば『Vol.2』収録の「H.M.A. - Heavy Metal Addict」はいわゆるヘヴィ・メタルとは一線を画す曲ですが、ハードに刻むギター・リフと速弾きソロと観客参加を促すビッグなコーラスという、ヘヴィ・メタルヘヴィ・メタルたらしめる要素がほぼ全て入っているのに、何故ヘヴィ・メタルではないのだろう?と考えさせます。アーティスト側がどれだけ意図しているかはよく判りませんが、既存ジャンルのフェアとファウルを分けるラインをクロスオーヴァーするのと同時に、フェアとファウルを分けるラインとは一体どこに引かれているのだろうか?という疑問を投げかけてくるのでした。
12月に入ってから日本入荷されるであろう『Vol.3』は音だけ先に聴いたのですが、ワタコたんがつぶやきヴォイスを聴かせるA面「16時47分52…」と、ヘヴィ・ドローンにタケシたんの「ああ〜あ」と切なげな歌声が乗るB面「きこえない」を収録。
『Vol.1』はタケシたん、『Vol.2』はアツオたん、『Vol.3』はワタコたんのジャケ。MOTORHEADTHIN LIZZYはジャケだけ3種類ずつあって中身が同じというシングルを出していましたが、Borisはちゃんと異なった6曲を聴かせてくれます。
『Vol.2』のアツオたんは「Statement」よりさらにエスカレートしたヘアスタイルで魅了してくれます。
なおBorisは以下のスケジュールでライヴを行う予定です。ぜひ行きましょう:

詳細はここここまで。