カティンの森

アンジェイ・ワイダ監督の2007年作品『カティンの森』をDVDで見ました。1940年、2万人以上といわれるポーランドの軍将校やインテリゲンチャソ連軍によって虐殺された"カティンの森"事件を描いた作品。
共産圏時代のポーランドではカティンの森の虐殺は教科書にも載っておらず、話題に出たとしてもナチがやったことにしていたそうです。「うちの父はカティンの森ソ連軍に殺された」と発言すると就職できなかったり、拉致されたりしました。
ワイダのお父さんもカティンの森で殺されて、未だに遺体は見つかっていないそうです。
恥ずかしながらワイダの映画はこの歳になって一度も見たことがありませんでした。ひえー。言葉が判らないし、暗くて重そうだし。でも見るなら今しかない!と思って気合いを入れて見たら、途中で飽きることもなく、最後まで画面に釘付けでした。ポーランド語なので、英語字幕をずっと見ていなければならないということもありましたが。
軽いネタバレだけど、途中で虐殺シーンがすっ飛ばされて戦後になっていますが、最後の方にたっぷり入っています。重いです。バックに流れるのはペンデレツキの、『シャイニング』の風呂場シーンで流れる曲(タイトル忘れた)。ペンデレツキもポーランド人で、アウシュヴィッツとか広島を題材にした曲を書いています。
確かに重い映画で、見終わった後は思い切り鬱になりますが、巨匠といわれている監督のこれだけ良い映画が日本公開されていない状況にも鬱になります。輸入DVDで見ることが出来るので、ぜひぜひ。おすすめです。
【追記】コメント欄でasさんに教えていただきましたが、12月5日から日本公開されるそうです

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市橋の正体をおれはしっている!やつの正体を教えてやろうか?やつの名はミスター・カンフー!!
メディアに管理される現代社会からの逃走を試みた30歳の男。市橋達也『2300年未来の旅』のローガンだったのかも知れません。 (ぃゃ違う