District 9

ピーター・ジャクソン制作、ニール・ブロムカンプ監督の『District 9』を見ました。すごく面白かったです。
南アフリカヨハネスブルグにエビ型宇宙人が巨大UFOに乗って移民してきて、District 9と命名された居住区に住まわされたけどスラム化。郊外の新居住区に1万8千人の宇宙人を移住させることになり...という話。アパルトヘイト風刺SF寓話として始まりますが(タイトルはケープタウンに実在して、6万人の黒人が強制移住させられたDistrict 6が元ネタ)、移住担当官が誤って謎の黒い液体を顔面に浴びてしまったことから物語は急展開。最後はロボットバトルやスラムのギャングまで巻き込んでてんやわんやの大騒ぎになります。宇宙人の兵器で人体がビチャッとはじけるのが妙にリアルです。
宇宙人差別問題について考えさせられるという点では、『帰ってきたウルトラマン』の『怪獣使いと少年』を思い出す人もいるかも知れません。
あとタイミング的に、我々日本人としては外国人参政権問題についても考えさせられるような気がします。
ブロムカンプはTVCM出身で、2005年に作った短編映画『Alive In Joburg』がピーター・ジャクソンの目に止まって、ゲーム『Halo』の映画化に携わることになりましたが、権利関係で企画がボツになったため、『Alive In Joburg』のテーマを拡大させて『District 9』を作ったそうです。彼のTVCMや『Alive In Joburg』、ボツになった映画版『Halo』のデモ映像などはSpy Filmsサイトで見ることが出来ます。
ところでヨハネスブルグといえば、日本外務省から「武装強盗に襲われるから赤信号で止まらないで下さい」と、"現地の法律を守らないこと"が勧告されているというリアル北斗の拳・リアルマッドマックスの無法地帯だそうですが、サッカーのワールドカップなんかやってしまって大丈夫なのでしょうか。観光気分でやって来る外国人が大虐殺されそうで心配なのですが...。あと参加チームも危ないかも。『地獄甲子園』みたいにならないことを祈るばかりです。