JACK BRUCE: AUTOMATIC

ジャック・ブルース翁が1983年に出したソロ・アルバム『AUTOMATIC』が英Esotericから世界初CD化されます。
この時期はいろいろなミュージシャンがテクノロジー路線に迷い込む傾向がありましたが、ジャック翁も本作ではフェアライトを使いまくりの一人録音。キップ・ハンラハンとやった「Make Love」のリメイク「Make Love (Part II)」みたいに良い曲もあるし、ヴォーカルも良いのですが、チャカポコ打ち込みは2009年に聴くとかなりかっこ悪いです。これまでCD化されなかったのもそれが理由でしょうか。しかし一言で失敗作と斬ってしまうにはもったいないし、イマイチ作品であるがゆえの倒錯した快楽を与えてくれることも、また事実なのです。RAVEN『THE PACK IS BACK』愛する人ならこの気持ち、判ってくれるでしょう。
なお、TV番組『Rockpalast』を収録したDVDに本作発表後のライヴが入っていますが、人間がプレイしていて、同じ曲でも全然かっこいいです。
今回のCDはオリジナル独盤ジャケ準拠となりますが、我が家にあるLPは1987年にイギリスで出た別ジャケのやつで、洗濯機の中に地球があるという困ったものでした。