KYLESA: STATIC TENSIONS
KYLESAの新作『STATIC TENSIONS』が素晴らしいです。前作『TIME WILL FUSE ITS WORTH』で路線変更した彼ら、さらにツイン・ドラムス編成が効果的に使われていて、一種アート・メタルな展開で精神の向こう側まで持っていきます。先月のライヴでは激しい面を前に出していましたが、かなり作り込んでいながらも、その勢いを殺ぐことがない作品です。同じジョージア州サヴァンナ出身のBARONESSにも通じるものがあり、アートワークがBARONESSのジョン・ベイズリーだったりもしますが、KYLESAの方がリズムやヴォーカルの多様性によって奥行きと拡がりを感じさせます。そのくせ1曲目「Scapegoat」を筆頭に、抗いがたいメロディとフックがあったりも。
なお20BuckSpinから出たデラックス2LP(SPIN029)は45回転2枚組の黄黒+赤黒重量盤で、LPジャケットを入れるスリップケース付き、さらにさらにポスター、8pブックレット、パッチ、ステッカーも封入の豪華仕様。Pusheadとミュシャがシックスナインするようなベイズリーのアートワークが12"×12"の迫力で迫ってきて、音楽と調和をなして桃源郷にいざないます。細胞のひとつひとつが喜び、そして死滅していきます。あああ。