NEXT〜ネクスト

 その映画を見たとき、男は身を震わすほどの怒りをおぼえた。
 ...この蓄膿カルト宗教野郎!ディックのことなんにも判ってないくせにッ!
 SFヲタだった男は、すぐさまディックの小説を原作とした映画の企画を立ち上げることにした。
 叔父の七光りと思われたくないために本名を名乗らず、パワーマンことルーク・ケイジから芸名を借りたほどのアメコミヲタである男は、いつかスーパーマンを演じることを夢見ていたが、コスチュームを着込んだその姿はリハーサル現場で大爆笑の渦を呼び、当時監督候補だった男に至っては涙を流して笑いながら「ゴメン、俺、下ろさせてもらうわ」と去っていったほどだった。結局スーパーマン役は自分よりはるかに無名の若手がかっさらっていった。
 その後、アメコミ映画が次々と作られ、大物ヒーローはあらかた取られてしまった。残っていたのは『ゴーストライダー』だけだった。
というわけで男は思ったのだった。このままだとディック物が全部映画化されてしまう。これまでソロだのシュワだのキアヌだのアフだの、ディックを1冊も読んだことないような連中がトンチンカンな演技をしてきたけど、ちゃんとした形で俺がやらなきゃ!
 そうして出来上がったのが『NEXT〜ネクスト』だった。
 なお、男はエルヴィス・プレスリーに心酔するあまりその娘と結婚、マイケルと穴兄弟になってしまったほどのエルヴィスヲタだったので、劇中BGMとして「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」を忍ばせることを忘れなかった。
 離婚する際、慰謝料を捻出するために自慢のアメコミコレクションを売却せねばならなかった男は彼女を憎悪していたが、やはりエルヴィスがキングであることは変わりなかったのだ。
 大味てきとうアクション映画を得意とする監督が「ここで増殖しまくったら超〜ウケますよ!」などとトボケたことをほざいてムカついたが、中途半端な笑みで受け流すことにした。
 そして完成した映画は...

なんか書いててイマイチだし面倒臭くなったのでここで終わり。後で削除するかも。
このブログでニコラス・ケイジねたをやるのは7回目です。