FLOWER TRAVELLIN' BAND: WE ARE HERE

FLOWER TRAVELLIN' BANDの35年ぶりのニュー・アルバム『WE ARE HERE』がリリースされました。
ロックもプロレスも殺人鬼も、"変な人がおかしなことをする"という点で共通しており、それゆえに大勢の人々を魅了するのだと思います。FLOWER TRAVELLIN' BANDが出てきた当時は日本人がロックをやるということ自体がおかしなことだったわけで、しかも黒人ハーフの人がカタカナ英語をハイトーンでシャウトするというのは、相当に異形の存在だった筈です。もちろん彼らの音楽が優れていたから伝説になったのでしょうが、特に海外での彼らの評価は、少なからずその異形っぷりによるものでしょう。
そして2008年、メンバー全員が還暦を過ぎて本気でロック・アルバムを作ったのが『WE ARE HERE』。これがまた見事な異形アルバムです。声のハリとカタカナ英語はまったく不変、「ヴォーカル、オレ!」と自我が数倍に膨れあがったジョー山中のむせ返る存在感にやられます。石間秀機のシターラがネバッと絡みつく「We Are Here」がアルバムのハイライトでしょうか。ハードな曲もジョーのシャウトもないし、タルイ古臭いと切ってしまうのは簡単ですが、いい年こいた爺さんたちが懐古でなくロックを前進させようとしたらどうなるか?という実験場であり、無視して通るわけにはいきません。その"実験"のセンスはさすがに時代を感じさせるものですが、それもまたいとおかし。ロックがアヴリル・ラヴィーンとか土屋アンナを指すジャンルに堕した今、ジジィたちが最後の殴り込みをかける"ニュー・ロック"アルバムです。

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またもやダブリ盤を放出したいのですが、

でどなたか引き取っていただけませんでしょうか。限定盤リリースラッシュに向けて、金も置き場もなくて困っています。mail@yamazaki666.comまでメール下さい。オマケ付けます。【済】