URIAH HEEP: WAKE THE SLEEPER

URIAH HEEPといえば現在きわめて微妙な位置にいるバンドです。
70年代に全盛期を迎え、何度ものメンバー交替を経て、86年に現在のシンガー、バーニー・ショウが加入したわけですが、その時点で時計の針をストップさせ、現在に至ります。
デヴィッド・バイロンは死んじゃったしケン・ヘンズリーは戻る気がないみたいなので、70年代前半のラインアップに戻って開き直ってレトロすることも出来ません。かといってもう爺さんばかりなので新しいことが出来るわけでもありません。
ニュー・アルバム『WAKE THE SLEEPER』も70年代バンドが80年代サウンドをやり続けて20年以上が経ったという、とても微妙な作品です。
最高!と絶賛するわけでもなく駄作!と貶すわけでもなく、最初から最後まで中途半端な笑みを浮かべながら過ごす57分。
PRIDE TIGERとかTHE PARLOR MOBみたいに若者がレトロだぜイェイ!とやる音楽も僕は好きなのですが、風呂の中で屁をこいたようなURIAH HEEPの生暖かさが、また愛しかったりもするわけです。ていうか好きなんだよ。悪いかよ
リー・カースレイクの後任として新加入したドラマーのラッセル・ギルブルックは、コージー・パウエルが在籍したことで知られるBEDLAMでコージー脱退後に加入したという、これまた微妙な人です。
旧ソ連とかヨーロッパ大陸とかで根強い人気を誇っている彼ら、ドイツ『Rock Of Ages』フェスティバルではトリを務めますが、他に出演するのがTHE ORCHESTRA(元ELO PART II)、THE HOOTERS、アクセル・ルディ・ペル、ウリ・ロート。うわぁ微妙。
もちろん微妙でもかまわないので、また日本でライヴをやって欲しいです。前回来たのは1991年9月だし。
日本盤がそこそこ売れたら来日してくれるかなーと思い、微妙なプッシュをしてみました。
そういえば『SPELLBINDER』という、1996年という微妙な時期のライヴ・アルバムのライナーノーツを書いたことがあります。中身はけっこう良かったです。95年にURIAH HEEPとSAXONのダブル・ヘッドライナー来日公演が計画されていたけど、ボツったんだそうです。