スルース

マイケル・ケイン&ジュード・ロウ『スルース』を見ました。
1972年版『探偵 スルース』で若者を演じたマイケル・ケインが、この2007年版ではローレンス・オリヴィエが演じたミステリー作家を演じています。
ただチャラくリメイクするのではなく、監督はケネス・ブラナー、脚本はハロルド・ピンターというハクあり過ぎの顔ぶれ。
21世紀版リメイクを強調するためか、監視カメラで撮ったようなアングルのショットがあちこちで見られ、携帯電話とかリモコンも出てきます。
『探偵 スルース』を『デストラップ 死の罠』アイラ・レヴィンがパクったため、レヴィンの『硝子の塔』をパクり返すという、映画本編と同じくパクってパクられてのドンデン返しの連続!
あとジュード・ロウは若手時代に舞台でローレンス・オリヴィエ賞新人賞を獲得していたり、『アルフィー』リメイク版で、オリジナル版でマイケル・ケインが演じた役を演じるなど、宿命じみたものを感じます。
とにかく予備知識はなければない方がいいので、まっさらな状態でぜひ見てみましょう。もちろん1972年版を見た人も、細かい違いを楽しめます。
ちょっと惜しかったのは、1972年版で出てくるMWA賞のポー像が出てこないところ。「アメリカでウケて大儲けしているけど本国イギリスでは今イチ評価されていない売れ線ミステリー作家」というポジションを一瞬で描写している好シーンだったのですが。
(↑大昔ハヤカワ・ミステリ・マガジンで誰かが書いていたことの受け売り)
しかしマイケル・ケインって"名優"らしいのですが、僕が映画を見始めた頃『スウォーム』『ポセイドンアドベンチャー2』みたいなアチャーな映画に出ていたり、『殺しのドレス』でアチャーな役をやっていたりしていたためか、どうも三文安なイメージがあります。