ヴァレー・ガール

DVDで『ヴァレー・ガール』を見ました。何を今さら。
1983年公開。前年フランク・ザッパの「Valley Girl」がヒットしたため、その歌詞を原作とした映画を作ろうとしたそうですが拒絶され、でもタイトルだけ使って作っちゃったそうです。裁判になったけどザッパが負けました。
"山の手サン・フェルナンド・ヴァレーのお嬢様とハリウッドのパンク野郎のラブストーリー"ですが、脳髄が痺れました。
主人公が髪の毛があるニコラス・ケイジというだけで既に頭が痛いです。
ヒロインはデボラ・フォアマン。メイベリンのCMに出ていたそうです。
ヴァレー・ガールというと山の手のいいとこのお嬢様だけど馬鹿で、今のパリス・ヒルトンみたいなセレブ系ギャル喋りです。ホーム・パーティーではヘルシー志向な寿司を食べていますが、ドロドロの汚いウニの軍艦巻きで、ロンドンのプルトニウム寿司より危険そうです。
それでSPARKS「Angst In My Pants」にあわせて踊ったりしています。2階の寝室でエロいことをするのは定番ですが、壁にはDEVOのポスターが貼ってあります。
それを見た下町出身のケイジが「そんなの聴いてるんじゃねえよ!本物の音楽ってやつを見せてやる!」とヒロインをサンセット・ストリップ(通称ストリップ通り)の汚いクラブに連れていきます。THE PLIMSOULSがライヴをやっています。こっちが本物であっちが偽物という線分けがよく判りません。
ヒロインの両親(イヤーな自然食デリ経営の元ヒッピーカップル)がフレデリック・フォレストと『ブルース・リー死亡遊戯』のコリーン・キャンプ。二人とも『地獄の黙示録』に出ていたけど、この映画にもコッポラの息がかかっているのでしょうか。ケイジも甥っ子だし。
最後はいいとこ高校のプロムにケイジが乱入してぶち壊し、ヒロインと逃亡するという、映画を見始めて3秒で想像がつくオチでした。
プロムで演奏しているジョージー・コットンの「Johnny Are You Queer」は『MTV JACKASS NUMBER TWO』でも使われていました。
いわゆるMTVムービーの枠に混ぜてもらえなかったかわいそうな映画ですが、まあ仕方ないかも知れません。
もっとも『フットルース』なんかもシティ・ボーイの主人公がカーステでQUIET RIOTを聴いてトラクターでチキンレースをやる眩暈系映画なのですが。
まぁ何かの機会があれば一見の価値はあるかも知れません。