JULIAN COPE: Japrocksamplerふたたび

ジュリアン・コープの日本ニューロック研究書『JAPROCKSAMPLER』、電車の中でちょっぴり読み始めました。まだ全然最初の方で前史の部分しか読んでいませんが、明治維新から1960年代までの日本文化とロック音楽についてまとめていて、かなり本格的に研究していることが窺えます。
1958年〜のエルヴィス兵役/リトル・リチャード入信/ジェリー・リー・ルイスロリ婚によるロックンロール停滞と雪村いずみによる生ぬるいロック解釈をリンクするという視点も興味深かったです。
ただやはりイギリス人であるせいか、日本人だったら誰でも当然知っているような事柄についての見過ごし&誤りはあります。たとえば雪村いずみ江利チエミに言及しながら、"3人娘"で最もビッグな存在である美空ひばりについてはまったく触れなかったり(しかも江利チエミはEri Chieriと表記されている)、「力道山と木村の"マサヒコ・ブラザーズ"」などという珍妙な表現があったり。
なお参考文献にBlack Shapes Of Doomファンジンの折田育造と陳信輝インタビューが挙げられています。もしかしたら陳信輝に対する低評価は、インタビューでの「自分がやっていた音楽はアメリカ物の代替品だった」みたいな発言も反映されているのかも知れませんね。
まだ本論に入っていないので、読み進めます。