GARY MOORE: CLOSE AS YOU GET

ゲイリー・ムーアのニュー・アルバム『CLOSE AS YOU GET』が出ます。
前作に引き続きブルース路線で、今年初めにラジオ番組ホストをやったこともあり、チャック・ベリーの「Thirty Days」、ジミー・ウィザスプーンの「Evenin'」、サン・ハウスの「Sundown」など、これまで以上にブルースねたを掘り下げています。
サニー・ボーイ・ウィリアムスンの「Eyesight To The Blind」(THE WHOがカヴァー、映画版『トミー』ではクラプトンがギターをプレイ)とかJOHN MAYALL'S BLUESBREAKERSの「Have You Heard」とか、この人の原体験ブルース曲もありますが。
21世紀においてブリティッシュ・ブルースを継承している人は数少なくなってしまったので、貴重な存在であることも事実ではありますが、そういうのを抜きにしても一枚のエモーショナルなアルバムとしてじっくり聴かせてくれます。
前作『OLD NEW BALLADS BLUES』の「No Reason To Cry」での泣き泣きロング・ギター・ソロに続いて、今回は「I Had A Dream」でテレキャスを泣かせまくり。指と弦のあいだから涙が滴り落ちます。
前作は「B.B.キングとの全英ツアーが決まったからブルース・アルバムにした」、今回も「ラジオ番組でかけて気に入ったからカヴァーした」など、お手軽発言がちょっと気になるゲイリーですが、あんまり作り込むことをせず、本能のおもむくままギターを弾きむしった方が良い結果が出ているような気がするので、当然オッケーです。
THE ANSWERも「ゲイリーに会って緊張した」と語るなど、若手ミュージシャンのあいだでも再評価されつつある(かもしれない)ゲイリーの新作。日本盤CD(ビクターVICP-63834)も6月16日発売です。