007カジノロワイヤル

プリクエルだという噂だったので1960年代ジャマイカとかが舞台になるのかと予想していたら、いきなり「チェコ共和国」というテロップが出てきます。ああプリクエルじゃないかなと思いきや、"現代が舞台のプリクエル"という複雑な設定でした。
ジェームズ・ボンドがケータイ世代でゲーム脳という、まさに21世紀の007です。
かつて『XXX』が"ハゲでランニング姿の流し目ゲイ"という21世紀の007像を提示しましたが、やはり本家のほうが一枚上手だったと思います。
それにしても登場人物みんな携帯使いすぎ。
Mはジュディ・デンチで、今回はQは出てきません。
あと『人体の不思議展』が悪者の取引現場として出てきます。
前作が「北朝鮮ジェームズ・ボンドを拉致して、キムジョンナムが金髪ハンサムに整形して、キムジョンイルを殺して衛星からレーザー光線を発射」というムチャクチャなものだったのに対し、シリーズ何度目かの"大人向け007"仕切り直しを行っていて、そのぶんクライマックスがえらく地味ですが、やっぱり面白いですよ。
【追記】ダニエル・クレイグがどうしてもジェームズ・ボンドに見えないという宿命を背負ったこの映画ですが、物語が進むにつれ観客が彼を新007として受け入れてしまうプロセスを楽しむ映画でもあります。
ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』のマイケル・ダグラス&キャスリン・ターナーはどう頑張ってもヒーロー&ヒロインに見えないのに、映画館を出るときにはなんだかかっこよく思えてしまうようなものでしょうか。違うか。