BRIDE OF THE GORILLA

デヴィッド・アナン著の猿映画研究書『Ape - Monster Of The Movies』に

「『キングコング』以降のゴリラ映画は、巨大ゴリラが出てこなくても手のひらと美女がクローズアップされたポスターが多い」

と書かれていて、なるほどと頷いたのですが、その例のひとつとして挙げられていたのが『Bride Of The Gorilla』でした。
そんなわけで『50 Movie Pack - Sci Fi Classics』から『Bride Of The Gorilla』を見ました。
舞台は南米アマゾンの農園。大富豪夫人のバーバラ・ペイトンと使用人のレイモンド・バーがデキてしまいます。
大富豪とバーは仲が悪く、バーが「俺はあんたの嫁さんのデキてるんだぜ、へへへ」と言ったため殴り合いに。
大富豪はパンチを喰らって倒れたところを毒蛇に噛まれて死んでしまいます。
それを見た現地人の老婆がヴードゥーの呪いをバーにかけます。
それでバーは夜な夜なジャングルを徘徊するようになります。
そして鏡に映る姿はゴリラに!
地元警察のロン・チャニーJrはバーが大富豪を殺害したと疑って捜査を続けますが、バーバラが「一緒にいた」と偽証したので、アリバイがあって逮捕に踏み切ることが出来ません。
この映画のツボは、バーが本当にゴリラに変身したのか、それとも精神異常をきたしているのか、どちらとも解釈できるところです。
最後にゴリラ姿でバーバラ・ペイトンを拉致してジャングルを駆け回るシーンがありますが、それも幻想とも思えるようになっています。
白黒映画で登場人物も少ないのですが、時間も70分と手頃でテンポも良いので、けっこう楽しめます。
なおバーバラ・ペイトンはこの映画の後、間男とセックルしているところを夫に写真に撮られてばらまかれ、さらにヘロインと万引きと売春で逮捕されるという見事な転落人生を歩んだことで知られています。
自伝『I Am Not Ashamed』を書いたものの、ギャラは1,000ドルぽっちだったそうです。
この本、まだアマゾンで買えるそうなので、読んでみることにしました。