荒野の大活劇

東陽町のジェンマ

『荒野の大活劇』(1969)を見ました。
ジュリアーノ・ジェンマ主演のマカロニ・コメディです。
ジェンマ演じるモンティは祖父の遺産を相続する条件として、20年前に別れた兄弟テッドと半年間同居しなければなりません。
でもテッドには目先の借金があるので、二人は強盗したり令嬢を誘拐したりして、金を稼ごうとします。
ことごとく失敗するドジな彼らは最後、列車から金塊を強奪しようとするのでした。
外国映画ではありますが、昭和テイストの喜劇です。
ドタバタ追跡劇、ボヨヨーンという効果音、石鹸ですってんころりん転ぶギャグ、バックを流れる軽快なウェスタン・ソングなど、クレージーキャッツやドリフの劇場映画を思わせるネタが満載。
誘拐される令嬢も「うっふんイヤーン」なお色気担当で、身代金を要求された父親が「あいつはとんだおてんばでな、もう少し預かってくれんか?2万ドル出す!」と言い出す始末。
甘いマスクの二枚目ジェンマはそんなユルいストーリーに見事はまっていますが、やるべき時はやります。
後ろ手に縛られた状態で拳銃をぶっ放す曲撃ちシーンは痺れるし、ラストの列車でのバトルは"大活劇"のタイトルに恥じないカッコイイものです。
なおテッド役のニノ・ベンヴェヌーチは1960年オリンピックのウェルター級金メダリストで、この映画を撮影しているときは現役のプロボクシング世界ミドル級チャンピオンだったそうです。


『庖丁人味平』で塩味を効かせたカレーを食べた土方が思わず「うめえっ」と口走ってしまうシーンがありましたが、それと同じく、見終わった瞬間に「面白かったっ」と声に出てしまう映画でした。


あと、以前イタリア旅行したときに覚えた「ドヴェ・イル・バーニョ?(トイレはどこですか?)」をジェンマが言っていて、ちょっと感動しました。