これからの曰本人は、そういう科学の勉強についても一生けんめいでなければなりません。
科学力がすぐれていなければ、どんなに立派な犬和魂があっても、どんなに大きな経済力があっても、
これからの戦争には勝てません。
ですから私は、これからの曰本人である皆さん方によくお願いしておきます。
どうかこの作中にあらわれる浮かぶ飛行島よりも、もっともっと立派な化学兵器を皆さんの手で造ってください。
そうすれば、ついに飛行島の中で爆死をした若くて勇敢な、皆さんが惜しんでくだすった杉田二等水兵も、
どんなに悦ぶかしれません。
昭 和十四年一月 作者しるす